サイクリングとクライミングとジャズをこよなく愛する一人の青年が、エネルギー・バー(栄養補給食品)でNO.1起業家になるまでを描き、全米で大評判になった本がこの“RAISING THE BAR”。
著者ゲーリー・エリクソンは175マイルのサイクリングを友人とやっていたとき、極限の疲労のなかで新しいバーの発想がひらめいた。彼はただちに母親のキッチンを借りて試行錯誤を開始。このささやかな行動が第一歩となり、アスリートや健康に関心のある人々向けの高エネルギー・バー製造で、年商4000万ドルを売上げる事業へと成長させていく。
環境問題にも視野を広げるビジネスモデルを構想していく過程が一方に描かれ、他方では、創業者ゲーリーの個人史が綴られる。この二つが巧みに折り重なることで、邦訳版『レイジング・ザ・バー』(本書)は、実に魅力的なビジネスのサクセスストーリーとして仕上がっている。
本書のもう一つの特長は、ビジネス書として素直に読んでも、とにかく面白いこと。企業売買のスリルや、買い手と売り手の心理の綾【あや】が描かれるとともに、自社株買いのテクニック、株式売却のさいのファイナンシングなどもふんだんに紹介されている。さらには、社員の自主性を高めるコツや企業モラルを維持するアイデア等が多彩に登場して、実に説得力に富む。どれもがディテール豊かに、しかも専門用語をほとんど使わずに綴られるので、門外漢でもぐいぐい引き込まれる。もちろん現代日本のビジネスマンにも必須の知識ばかりだ。
ご購入はこちらをご覧ください。
A&Fオンラインストア Raising the Bar 「レイジング・ザ・バー ~妥協しない物つくりの成功物語」